原発事故と保険

福島第一原発の高濃度汚染水タンクからの汚染水漏れが連日報道されています。
個人的には現在の汚染水漏れは世界的に見ても今まで経験したことのない最悪の状態だと考えています。
海は世界に繋がっています。

最近ご質問をいただく中で間違った情報が流れている様なので少し整理したいと思います。

火災保険、自動車保険などいわゆる損害保険では原子力や放射能に関して免責としています。これは万が一事故が起きた場合損害規模が大きすぎたり、因果関係が不明だったり、保険金を支払うという責任が果たせないからという事の様です。
そして何より原子力発電所が絶対安全などと保険会社は考えていないという事でしょう。

では生命保険や医療保険はというと、問題なくお支払しています。
約款に記載されている免責事由は以下の通りです。

・保険契約者または被保険者の故意または重大な過失
・被保険者の犯罪行為
・被保険者の精神障害を原因とする事故
・被保険者の泥酔の状態を原因とする事故
・被保険者が法令に定める運転資格を持たないで運転している間に生じた事故
・被保険者が法令時定める酒気帯び運転またはこれに相当する運転をしている間に生じた事故
・被保険者の薬物依存
・地震、噴火または津波
・戦争その他の変乱

東日本大震災で国内生命保険会社はこの免責事由にある「地震、噴火または津波」を否定してお支払することにしました。
そもそも原子力、放射能などは免責ではありません。
もし免責だったら原子力発電所で働く人は生命保険や医療保険に加入できなくなってしまいます。

因みに、火災保険では地震、噴火または津波は免責ですが、地震保険を付帯することによって補償されます。

2013_08_30